放射線科
診療放射線技師が、X線検査(レントゲン)やX線CT検査などの画像診断装置を用いた検査業務を行っています。人体に放射線を照射して、体内の様子を可視化します。画像診断は、昨今の医療に欠かせない必要不可欠な検査です。放射線科では、できるかぎり患者様の負担が少なく、放射線による医療被曝を少しでも減らせるように努力しています。
診療放射線技師は、国家試験に合格して、国家資格を有しています。
診療放射線技師の業務
1. 一般X線検査
人体にX線を照射し、透過したX線を画像にして、胸部や腹部、骨などの評価を行う検査です。健診では、胸部撮影を行います。また、病室で動けない患者様に対してはポータブル検査(病棟出張撮影)にて対応しています。診断参考レベル(DRL)に基づいて、被曝低減に努めています。
2. 骨密度測定
前腕骨(手首~肘)に放射線を照射して、透過した放射線量から骨の密度(強さ)を測定します。骨密度が低いと骨粗鬆症になります。座った状態で測定を行うため、患者様の負担は少なく、また、健診でも測定することができます。
3. X線テレビ検査
放射線を連続的に照射することによって、テレビのように動画として体内を観察することができます。最も一般的な検査が、胃のバリウム検査です。胃の表面にバリウムを付着させて、胃の評価を行います。その他にも嚥下機能を評価したり、透視下で血管内に管を入れたり、骨折を観察したりなど用途は多岐にわたります。
4. X線CT検査
身体の回りからぐるっと1回転放射線を照射し、コンピュータで処理することによって、いろいろな断面像や3D(立体)画像を作成することができます。一般X線検査よりもかなり詳しい精密検査となりますが、その反面被曝はかなり多くなります。当院では、CT検査の目的や被曝について医師が説明を行った上で、同意書を頂いています。また、造影剤という放射線に写りやすくする薬剤を血管内に投与してから撮影を行う造影CT検査も行っています。その場合、別途医師が造影剤の説明を行い、同意書を頂いています。診断参考レベル(DRL)に基づいて、被曝低減に努めています。
5. 読影レポート
X線CT検査、健診胸部X線検査、胃透視検査(バリウム)については、放射線専門医が遠隔で読影し、レポートを作成しています。主治医と専門医によるダブルチェックを行っています。
【豆知識】放射線って?
答え:同じものです。
1895年、ドイツの物理学者のレントゲンさんが、他の実験をしているときに「物体を突き抜ける光」X線を発見しました。正体不明の光線を、数学で未知の数をXと表すのになぞらえて、「X線」と命名しました。それに因んで、X線写真の事をレントゲン写真と呼ぶようになりました。
被曝について
自然の中にも多種多様な放射線があり、日常的に被曝をしています。自然界からは1年間で世界平均2.4mSv被曝しているといわれています。一般的な検査による被曝量は下図のようになります。
検査での被曝は、使用している装置や患者様の体格、画質などによって異なります。当院では、診断参考レベル(DRL)に基づいて評価を行い、被曝低減に務めています。当院での主な検査の被曝線量は以下の通りです。
胸部レントゲン写真 正面:およそ0.125mSv
側面:およそ0.287mSv
腹部レントゲン写真:およそ0.257mSv
頭部CT検査:およそ2.5mSv
胸部CT検査:およそ7mSv
腹部CT検査:およそ10mSv
胸腹部CT検査:およそ12mSv
※体格や撮影回数によって上下します
検査項目 | 部位 | 当院被爆線量(mSv) | 診断参考レベル(mSv) |
X線写真(レントゲン) | 胸部正面 | 0.125 | 0.3 |
胸部側面 | 0.287 | ||
腹部 | 0.257 | 2.5 | |
CT検査 | 頭部 | 2.5 | 2.835 |
胸部 | 7 | 7.14 | |
腹部 | 10 | 13.2 | |
胸腹部 | 12 | 18 |